専攻概要
現代科学技術の基盤となる
微視的物質科学を追究する
専攻の特色
量子力学
-微視的物質科学の基礎理論-
量子力学に基礎を置く微視的科学技術は、21世紀を迎えて、人間社会にますます深く浸透してきています。その応用範囲は、エレクトロニクスなどの理工学分野にとどまらず、情報科学、エネルギー科学、環境科学から、医学・生命科学、さらには社会科学の分野にまで広がっています。
量子理工学専攻の目的
本専攻は、量子力学のさらなる追究、また量子科学の理工学や他分野への新しい応用を主な目的として、1992年に独立専攻として開設されました。研究テーマは学際的であり、門戸は、物理・数学などの理学系学部・学科卒業生だけでなく、電子・電気・機械などの工学系学部・学科卒業生にも開かれています。
「自主創造」を体現できる恵まれた研究環境
本専攻は、「日本大学量子科学研究所」と密接な連携を保っており、学生は、恵まれた研究環境のもとで、加速器・放射線科学、核融合・エネルギー科学、量子物性科学、量子光学、原子光学、素粒子論・量子論、計算物理学など、量子科学に関わる広い分野で研究を行うことができます。
教育研究上の目的
前期課程
現代物理学の根幹となっている量子力学に基づき、加速器科学・素粒子論・場の理論・物性科学・エネルギー科学・情報科学・生命科学などの量子科学を考究するとともに、その工学的・学際的領域への応用力を培う教育を行う。これら量子科学の根底的理解を通じて、従来の粋を越えた新しい科学技術に対応できる能力を養い、社会に貢献できる技術者及び研究者となる人材を養成する。
後期課程
現代物理学の根幹となっている量子力学に基づき、加速器科学・素粒子論・場の理論・物性科学・エネルギー科学・情報科学・生命科学などの量子科学を考究するとともに、その工学的・学際的領域に応用・展開する力を培う教育を行う。これら量子科学の根底的理解を通じて、従来の枠を越えた新しい科学技術を創造できる豊かな能力を養い、率先して社会に貢献できる技術者及び研究者を養成する。
進路の傾向
(博士前期課程修了生)
就職実績一覧
(2020年度~2022年度博士前期課程修了生)
電子・電機 | 富士電機/三菱電機/日本デジタル研究所 |
精密機器・ 医療機器 | トヤマ |
自動車・ 輸送用機器 | スズキ |
情報処理・ ソフトウェア | SCSK/ノバシステム |
情報・インターネットサービス | インテージ/FIXER |
通信関連 | ソフトバンク |
教育機関 | 日本工業大学 |
その他の業種 | ソニーLSIデザイン/スタッフサービス・エンジニアリング |
研究指導教員と研究テーマ
※ 研究者情報データベースを表示するには、名前をクリックして下さい。
井上 修一郎 教授/博士(理学)量子光学|量子情報|量子ナノプラズモニクス | 単一画素量子イメージング/単一光子画像伝送/SiC中のSi空孔による単一光子発生/プラズモニック量子ウォーク/ダイヤモンドNV-中心による量子センシング |
出口 真一 教授/理学博士素粒子論|ゲージ理論|量子力学 | ツイスター変数を用いた粒子、弦、場の記述と解析/減衰調和振動子の量子論/ベリー位相と新奇な磁気単極子/量子色力学の真空構造 |
早川 恭史 教授/博士(理学)加速器科学|放射線科学 | 高エネルギー加速器に関する研究/パラメトリックX線放射によるX線源の開発/X線位相コントラストイメージング/自由電子レーザーの実験的研究/THz光源の開発研究 |
渡部 政行 教授/博士(工学)核融合科学|プラズマ科学|プラズマ物理学 | 小型中性子線源の開発/電磁加速型および電熱加速型電気推進機の開発/荷電粒子ビーム源の開発/ダイナモ効果に伴う自己組織化に関する研究/イオントラップに関する研究 |
境 武志 准教授/博士(理学)加速器科学 | 電子リニアックを用いた自由電子レーザー/パラメトリックX線放射/高強度テラヘルツ波光源の開発/高輝度小型X線源開発/クライオ高周波電子銃開発/高出力高周波源の研究 |
長峰 康雄 准教授/博士(理学)計算物理学|核融合理論 | 核融合プラズマの理論および数値シミュレーション研究/低アスペクト比トーラスプラズマの磁気流体力学的平衡と安定性/新しい計算科学手法による物理シミュレーション |
行方 直人 准教授/博士(理学)量子光学|量子情報科学 | 通信波長帯単一光子の発生および検出技術/量子もつれ光子発生とその応用/非ユニバーサル光量子コンピュータ・シミュレータ/長距離量子鍵配送 |
桑本 剛 准教授(研究所)/博士(理学)量子光学|冷却原子 | 87Rb原子のボース・アインシュタイン凝縮体を用いた量子メモリの開発/原子に保存可能な量子光源の開発/光量子情報の保存および再生に関する研究 |
授業科目・研究環境
授業科目一覧
前期課程
- 量子力学Ⅰ
- 量子力学Ⅱ
- 統計物理学Ⅰ
- 統計物理学Ⅱ
- 力学特論
- 電磁気学特論
- 計測工学特論
- 量子力学特論Ⅰ
- 量子力学特論Ⅱ
- 素粒子物理学Ⅰ
- 素粒子物理学Ⅱ
- 場の理論特論Ⅰ
- 場の理論特論Ⅱ
- 加速器科学Ⅰ
- 加速器科学Ⅱ
- 放射線科学
- マイクロ波物理学
- X線光学
- 核融合特論
- 原子力エネルギー工学
- プラズマ科学
- 原子光学特論
- 量子情報科学
- 量子光学
- 光エレクトロニクス
- 非線形物理学
- 計算機シミュレーションⅠ
- 計算機シミュレーションⅡ
- 先端科学技術特論
- 量子科学フロンティア
- 量子理工学講究Ⅰ
- 量子理工学講究Ⅱ
- 加速器・放射線科学特別研究
- プラズマ・核融合科学特別研究
- 素粒子論・量子論特別研究
- 量子物性科学特別研究
- 非線型数理シミュレーション特別研究
- 学位論文
後期課程
- 量子理工学特別講義
- 加速器・放射線科学特別研究
- プラズマ・核融合科学特別研究
- 素粒子論・量子論特別研究
- 量子物性科学特別研究
- 非線型数理シミュレーション特別研究
- 学位論文
専門分野の研究環境
- 量子科学研究所* 関連
- 電子線利用研究施設
加速器棟:125MeV電子線形加速器、赤外自由電子レーザー発生装置、パラメトリックX線発生装置、テラヘルツ(THz)光ビームライン、各種放射線検出器、X線画像検出器
ユーザー棟:エキシマレーザー、各種X線回折装置、ラマン分析装置、原子力間顕微鏡 - フェムト秒チタンサファイヤレーザー(2台)
- 光パラメトリック発信器
- 無冷媒ヘリウム3冷凍機(100mK)
- 無冷媒磁気光学測定用超伝導マグネットシステム(1.5K、7T)
- 高出力波長可変単一モードダイオードレーザー(中心周波数780nm、最大1000mW)
- モードロックフェムト秒ファイバーレーザー(中心波長1540~1560 nm)(2台)
- 超伝導単一光子検出器(SSPD)(2チャンネル)
- EM-CCDカメラ
- 冷却CCDカメラ(2台)
- 外部共振器半導体レーザー(波長1500~1600 nm, 20mW)
- 外部共振器半導体レーザー(波長770~790 nm, 8 mW)
- 並列計算機システム(Intel Xeon 3.33GHz×2(8コア)GPGPU NVIDIA Tesla C2050搭載、
MAS-i7AQUA:Intel Core i7 3.20GHz(4Core)、NVIDIA TESLA C2075(VRAM:6GB)×4、HPC5000-XIGPU4TS-KPL:Intel Xeon E5-2643 v2 3.5GHz(4Core)×2、NVIDIA TESLA K20X×4基搭載、Opteron 2.3GHz×20)